NetGalleyのすすめ【第12回】 ~ 平惣 徳島店 八百原勝さん インタビュー記~

▲(写真)徳島県のラジオ局エフエムびざんにて、絵本『6600万年前……ぼくは恐竜だったのかもしれない』のラジオ収録の様子。
左から 知楽社 編集長 井上学さん、児童文学作家 くすのきしげのり先生、恐竜画家CANさん、平惣徳島店 八百原勝店長

平惣(ひらそう)徳島店の店長 八百原勝さんは、「NetGalleyのすすめ」に今回で2回目のご登場です。前回の取材から2年が経ち、現在はどのようにネットギャリーをご利用されているのか。ネットギャリー担当の藤吉が取材に行ってまいりました!

1店舗1アカウント作成 チェーン全体でネットギャリーに登録

平惣(ひらそう)は、徳島県阿南市に本部を置く。今年で創業281年の歴史を誇り、徳島県民に愛される地元密着型書店として、7店舗と外商部を県内でチェーン展開している。平惣では、店舗ごとにネットギャリーに登録し、スタッフとアカウントを共有しているという。

ネットギャリーは書店員にとっては、魅力的なサービスです。これらをチェーン書店としてどう活用していこうか考えていました。まずは店舗ごとにアカウントを発行し、スタッフ間でIDを共有するやり方にしました。レビューを出版社へ届けたい!という熱い気持ちを持つスタッフには、個々にアカウントを発行してもらい、それぞれで使ってもらっています。
ネットギャリーには、書店員以外のプロの読者も利用しています。図書館司書や教育関係者は、我々とは違った角度で作品を読まれています。ゲラを読む時間がなかったとしても、みなさんのレビューを読むだけでも大変参考になります。

▲(写真)平惣徳島店 2020年本屋大賞ノミネートフェア

今年は多くの本屋大賞ノミネート作品が、各社からネットギャリーに掲載されていました。ノミネートされた著者さんに、弊社のラジオ番組にご出演頂き、作品への想いを語って頂きました。

▲2020年本屋大賞ノミネート作品『ムゲンのi』知念美希人/双葉社

平惣のラジオ番組BFM791「平惣ブックライブラリー」に知念美希人さんがご出演!
放送回はこちら

▲2020年本屋大賞ノミネート作品『線は、僕を描く』砥上裕將/講談社

砥上裕將さんも「平惣ブックライブラリー」にご出演!近日放送予定!

新聞、テレビ、ラジオ、タウン誌など、地元メディアと連動した徳島モデル“クロスメディア”

本の要約サイト「フライヤー」が主催する、ビジネス書グランプリ2020の大賞が2月19日に発表された。その年に発売されたビジネス書の中から一般読者が、最も有意義だと感じたものを選んで投票し、最も票を集めたものが表彰されるという年に一度のイベント。エントリー作品の一部がネットギャリーで読めるという連携を行い、八百原さんには、投票の選書にネットギャリーをご活用いただいた。

ネットギャリーからの案内でビジネス書グランプリを知るきっかけとなり、現在は平惣5店舗で受賞作品フェア展開を実施しています。徳島新聞さんにもフェアの様子を取材していただき、フェア目的での来客もあり、ありがたい限りです。

▲(写真)ビジネス書グランプリフェア。(左)平惣阿南センター店、(右)平惣徳島店

イノベーション部門第1位『売上を、減らそう。』の著者 中村朱美さんにも、弊社のラジオ番組にご出演にいただき、本書に関する思いを語って頂きました。働き方改革と言われる現代において、文句なしの受賞だと思います。

▲(写真) イノベーション部門第1位『売上を、減らそう。』中村朱美/ライツ社
平惣徳島店にて大きくフェア展開。

徳島新聞の書評や書籍紹介は、反響が大きく、書籍の売上にも大きく影響します。一方で、SNSやラジオ音源を使ったデジタル媒体でも、我々から情報を発信しています。どちらが良いか、とかではありません。受動的でかつ、能動的に情報を行き来させることが必要だと思っています。デジタルとアナログ、ネットとリアル、それらを掛け合わせたクロスメディアが、書店業に限らず、これからの時代に求められていると思い、日々動き回っています。

▲(写真) 『空腹の時間」が健康を決める』石原新菜 監修:石原結實/新星出版社
平惣徳島店にてフェア展開。徳島新聞で紹介された翌週は、売行が約300%アップ!

▲『「空腹の時間」が健康を決める』石原新菜 監修:石原結實/新星出版社

徳島県出身作家・くすのきしげのり先生と地元書店ならではの取り組み

ネットギャリーに掲載されている『6600万年前……ぼくは恐竜だったのかもしれない』。この絵本は、児童文学作家のくすのきしげのり先生が文章を手掛けた。数多くある恐竜絵本の中でも、絶滅をテーマにした絵本は類書がなく、新しい切り口で家族愛を伝えるハートフルな物語だ。

▲『6600万年前……ぼくは恐竜だったのかもしれない』くすのきしげのり作・CAN絵/主婦の友社

くすのき先生は、徳島県在住ということもあり、これまで様々なイベントを一緒に取り組んできました。ネットギャリーで、『6600万年前……ぼくは恐竜だったのかもしれない』の帯コメントの募集キャンペーンが実施されていました。自分のコメントが帯になるなんて、本好きにはたまらないことです。徳島県民が一体となって地元作家さんの魅力を発信できるように、来店するお客様にもキャンペーンをご案内しました。

▲店頭でオリジナルポスターを掲示し、来店客へ企画参加を呼び掛けた。

お客様とお話していると、独自でSNSで本を紹介したり、実はボランティアで絵本の読み聞かせをしている人だったり、様々な本の伝道師たちが本屋に来られていることが改めてわかりました。これまでは、“本”を中心にお客様と会話をしていましたが、ネットギャリーを通して、“読書”を中心にお客様と会話することで、本の広げ方、伝え方に関する意見交換もできています。本に秘めた可能性を日増しに強く感じています。ネットギャリーさんには、一般読者を巻き込んだ企画を今後もどんどん行なって頂きたいです。

ところで、徳島県勝浦町のとある場所で、肉食恐竜の歯化石が昨年に発見されたことはご存じだろうか。完全な状態で歯の化石が見つかったのは中四国地方で初であり、メディアでも大きく取り上げられた。恐竜の町として、話題になりつつある勝浦町で、なんと、『6600万年前……ぼくは恐竜だったのかもしれない』の絵を手掛けた恐竜画家のCANさんが、「町ふるさと恐竜大使」に任命されたのだ。

▲(写真) 「町ふるさと恐竜大使」任命式の様子

▲筆ペン一本で描くCANさんの恐竜ペインティングを任命イベントで行なった。

▲(写真)平惣徳島店にて。
CANさんの描きおろし恐竜ぬりえは、ネットギャリーから無料でダウンロードができる。
春休みが長い今の時期には、自宅遊びの需要もあり、大人気の様子。

恐竜は、男の子は必ずと言っていいほど通る道。今は、徳島でブームがきていますが、そもそも全国的にも人気が落ちない安定的でかつ安心できるコンテンツです。そこに、CANさんという女性が、筆ペン一本で恐竜を描くという新しい風を吹かしてくださいました。恐竜ぬりえは、女の子にも人気です。これからは、「恐竜女子」と呼ばれる新たなムーブメントが起きそうな予感です!

紙の本のあたたかさ、ぬくもりを伝える
ネットギャリーと共に地域社会を文化で結ぶ

書店が減ってきている昨今、読者と作品の接点が激減している。ネットギャリーは出版社の承認があって、作品を読むことができる仕組みだが、本の中身を購入前に読んでもらうことを「本の試食」だと八百原さんは捉えている。

かつては書店が電子書籍に敵対心を燃やす時期がありました。しかしながら、今では電子書籍で話題となった作品の紙版を購入される方も増えており、その流れは年々強くなっています。電子と紙の読者層も異なると言われています。WEBで本のタッチポイントを増やすことにより、新たな読者が生まれ、その読者が作品や作家に愛着を持つことで、紙の本を求める。そのような消費傾向が全国的に感じられます。そのツールの一つとして、本の試食を体験できるネットギャリーは、読書推進に有効的だと思っています。
新しいことにどんどんチャレンジして、紙の本が持つ、あたたかさやぬくもりをこれからも伝えていきたいと思います。ネットギャリーを学校や図書館、地元メディア、またはご来店頂く本好きの方にもご案内していく予定です。徳島県が一体となって1つのプラットフォームを活用することで、共に地域社会を文化で結んでいきたいと考えています。

昨日より今日、今日より明日、より多くの方に読書を楽しんでもらいたい、という八百原さんのその情熱は、平惣が徳島県民に愛される秘訣の1つであることは間違いない。地域のメディアと連携しながら、本を届ける平惣にこれからも目が離せない。

インタビュー後記

WEBに明るい考えを持つ平惣の八百原さん。一見、何の気なしに淡々と業務をこなすその裏側には、数えきれない努力と試行錯誤が繰り返されていることをひしひしと感じました。そんな熱い思いの書店員さんにネットギャリーをご利用頂いていることに、背筋が伸びる思いです。徳島に行った際は、またぜひよろしくお願いいたします!

【平惣 徳島店】

〒770-8052 徳島市沖ノ浜3-9
TEL:088-622-0001
営業時間:9:00 – 23:00(年末年始営業時間変更有り)
https://hirasoh.syoten-web.com/

連載:NetGalleyのすすめ~書店員インタビュー記~
▶︎https://honya-trip.com/tag/netgalley/

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