NetGalleyのすすめ【第9回】~「流泉書房 パティオ店」大橋崇博さんインタビュー記~

読みたい本を読みたいように読む!

今回は、流泉書房 パティオ店にいらっしゃるNetGalley(ネットギャリー)ユーザーの大橋崇博さんにお話を伺った。

1、メディア注目!流泉書房の読み聞かせ会イベント

流泉書房の店長・大橋崇博さんは、明るく気さくな人柄で、赤いキャップ帽をかぶっていた。
お店を訪ねてくるのはお互いに顔をよく覚えているお客さんが多く、大橋さんに、「昨日はおらんかったけど、どこおったん?」「〇〇さんと喫茶店でお茶しとったやろ」など、日常会話を持ちかけては楽しまれる方もいる。

祖母・母(娘)・孫(娘の息子)と親子三世代でお店にやってくるお客さんもいる。おばあちゃんはおばあちゃんの話、お母さんはお母さんの話、孫は孫の話をそれぞれ大橋さんにする。そして、一家のお父さんがふらっと立ち寄っては、「(家族が)なにか言うとった?」と大橋さんに訊ねることがあるのだという。大橋さんはこの一家みんなに愛されているのだ。

大橋さんだけでなく、流泉書房の書店員さんそれぞれに常連さんがいらっしゃるというのだから、それだけ地域に根付いている本屋さんなのだということがよくわかる。

そんな流泉書房では、毎週木曜日の17時から、多くのメディアに注目されているイベントが開催されているという。
それは、子どもが子どもに読み聞かせをするというイベントだ。4~5歳くらいの小さなお子さんから小学校高学年くらいのお子さんまで参加されていて、みんなで読みたい絵本を持ち寄り、みんなで1冊1冊の絵本を楽しむ。

↑神戸新聞にも取り上げられました!

大橋さんは、ページをめくるのを手伝ったり、読むのが難しいところはいっしょに読んであげたりと、読み聞かせの盛り上げ役になっている。

もちろん、主役は子どもたち。一所懸命絵本を読む子どもと、食い入るように絵本を覗き込む子どもたちの姿が印象的だ。

↑読み聞かせ会の後はみんなでお花畑を作りました。世界でひとつだけの花ですね♪

大橋さんは、子どもたちには、絵本を「読みたいように読んでほしいし、やりたいようにやってほしい」という。

あるお子さんの『おむすびころりん』のエピソードがある。
お子さんが、「絵本は持っていないけれど、教科書に載っているので教科書で読んでもいいですか?」と尋ねてきた。

大橋さんは、「もちろん、いいよ」と答えた。
そのお子さんは、教科書の文章の横に、「ここは○○なふうに読む」「ここはみんなで読む」など、自分なりにどう読むかをびっしりとメモして読み聞かせ会に臨んだそうだ。
「おむすびころりん、すっとんとん。ここはみんなでいっしょに読んでください」
みんなで「おむすびころりん、すっとんとん」――子どもたちの笑顔がまぶたの裏側に浮かぶようである。

流泉書房の読み聞かせ会に使用される絵本は、子どもが自由に選ぶ。家にある絵本でもOK。教科書でもOK。もちろん、本屋さんで選んでもOK。

読み聞かせ会初回は、流泉書房のパートさんのお子さんが読み聞かせ役を務めたそうだが、そこに参加した子どもたちが代わる代わる読み聞かせ役を担当するようになった。
すると、子どもたち同士で仲良くなり、学年を超えてつながりを持つようになった。子どもたちのお母さん同士も自然と話をするようになり、地域のコミュニティが生まれた。

流泉書房は、街のコミュニティの場として愛されている。
ちなみに、読み聞かせ会は本屋さんを飛び越えて、美容室やうどん屋さんなどで出張開催されることがあるという。

「子どもたちの読み聞かせ会をお店でやってもらいたい」という方は、大橋さんに相談してみてはいかがだろうか。

続いて、流泉書房ではどんなふうにNetGalleyが使用されているかを主にご紹介しよう!

2、流泉書房とNetGalley

実は、今回のインタビューに協力していただいた7月19日の読み聞かせ会では、あるお子さんが『どんぐりむらのパンやさん』(なかやみわ/学研プラス)を読んでいた。

このどんぐりむらはなかやみわ氏の人気シリーズで、9月に新刊が発売される。この新刊を、NetGalleyでチェックすることができるのだ!

子どもたちも面白そうに読み、聞いていたどんぐりむらシリーズを読むきっかけとしても、是非NetGalleyで新作をチェックした後、紙の絵本で読んでみてほしい。

↑どんぐりむらシリーズを読んでいる様子。楽しそう!

 

↑ NetGalleyで得た情報はすぐにPOPにして売場に反映させている


9月発売予定『どんぐりむらのいちねんかん』(なかやみわ/学研プラス)
要チェックですよ(゚Д゚)ノ

絵本だけでなく、大橋さんは、NetGalleyで主に関西にゆかりのある作家の本をチェックしているという。

『歪んだ波紋』(塩田 武士/講談社)

『若旦那のひざまくら』(坂井希久子/双葉社)

他にも、ビジネス書や実用書など大橋さん自身が気になる作品を読み、”読んだからこそできる仕掛け販売”のヒントを探している。

小売再生リアル店舗はメディアになる』(ダグ・スティーヴンス(著)・斎藤栄一郎(翻訳)/プレジデント社)

『みそ汁はおかずです』(瀬尾幸子/学研プラス)

大橋さんのもとには、出版社から直接ゲラが届くことがある。しかし、気になっている作品のなかにはゲラが届かない場合もある。そのようなときにNetGalleyで作品を検索することができると「便利だ」と感じるそうだ。

また、流泉書房の書店員さん・逢坂 肇さんもNetGalleyユーザーである。
逢坂さんは、大橋さんも読まれている『歪んだ波紋』の他、以下の作品など多数チェックされている。

『滅びの園』(恒川光太郎/KADOKAWA

『僕の未来だった君へ』(島海 嶺/小学館)

実は、逢坂さんのほうが大橋店長より先にNetGalleyに登録していたのだ!!!

3、大人から子どもまで地域の人たちに愛される流泉書房

大橋さんは、お客さんからいろんな相談を聞く。

あるお母さんが、「お父さんが腰を痛めて動かれんで、なんかいい本あるやろか」というと、
大橋さんは「それならこの本は読まれていなかったと思うのでどうぞ」とおすすめする。
後日、また同じお母さんがやってきて、「あの本、お父さんが『面白かった』って言うとったから、また次の本をみつくろって」という。
大橋さんは、「だったらこの本を」とおすすめする。


大橋さんは、本の表紙を見たときに、「この本はあのおじいちゃんが喜ぶかな」「この本はあのお客さんに合いそうだ」と、お客さんの顔が思い浮かぶのだという。
また、知っている作家の作品だと、作家の顔が頭のなかに湧いてくるそうだ。

大橋さんはいう。

『この本を1冊売りました』と言える売り方をしたい

売れ筋の本は自動的に売れていく。これは、「売った」というより「売れた」と表現できる。
しかし、自分が売りたい本をおすすめしてお客さんに買ってもらった場合、書店員が「売った」といえるだろう。後者の場合はとても能動的だ。

お客さんの顔を思い浮かべながら、お客さんにおすすめしたい本を売る。そんな熱意や暖かさを求めて、地域の方々は流泉書房に集まってくるのだろう。


↑流泉書房独自に選書した本だそうです。帯を要チェック!

 

インタビュー後記

本文中に入りきらなかった流泉書房のエピソードをひとつ。
読み聞かせ会の記念すべき50回目では、ストリートミュージシャンとコラボして、『はらぺこあおむし』の歌など、絵本にまつわる歌を子どもたちみんなで歌ったそうです。
ギター片手に歌うお兄さんと、鈴を鳴らして歌う小さなお子さん。温かい情景が思い浮かびますよね。
イベント100回目はもうすぐ!
今度はどんなサプライズがあるのでしょうか!?

大橋さん、流泉書房パティオ店の皆様、インタビューにご協力くださりありがとうございました。

2018年7月20日 夏也園子

連載:NetGalleyのすすめ~書店員インタビュー記~
▶︎https://honya-trip.com/tag/netgalley/

夏也園子

1986年7月31日生まれ。
2014年『フェチクラス』(双葉社)でデビュー。
2017年に、尖端出版より『フェチクラス』の海外版(中国語版)が発売されている。
ほかに『リアルア ンケート(上・下)』(KKベストセラーズ)がある。
近頃は集中力アップと冷え対策のために、
入浴中にお絵かきロジック(ピクロス的なの)をしている。
あったかいルイボスティーに牛乳を入れて、
ルイボスミルクティーにして飲むのにハマり中♪

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