ママは子供にとって大事な存在。子供と楽しい生活を過ごすに越したことはないですが、コロナの影響による生活の変化で、疲れているママも多いかもしれません。
2019年『働くママとパパを支える日経DUAL』より、「育児にセルフディスカウントはNG」という言葉が話題になりました。“セルフディスカウント”は育児やライフスタイルに使われる言葉ではないにも関わらず、今では“セルフディスカウント”と調べると、1番上に『ママとパパを支える日経DUAL』のサイトが表示される程になりました。
目次
セルフディスカウントとはどんな言葉?
“セルフディスカウント”は商品を自ら値引きしていくとの意味を持ち、主に百貨店やドラッグストアなどで使われる言葉です。お店によって各曜日に「セルフディスカウントデー」「セルフディスカウントクーポン配布日」を設け、お客様自ら商品に値引きをさせながら購買意欲を増やし、お店の利益に繋げる戦略の1つです。
では、この言葉が何故育児に使われる様になったのでしょうか。 育児において「自分が自ら、商品(自分)価値を下げる」事をついしてしまいがち だ、という指摘から始まりました。
育児ではセルフディスカウントしがち⁉
~自分を卑下してしまう原因は?~
なぜ、ママは自分の価値を下げてしまう傾向があるのでしょうか。
理由として主にこの3つが挙げられるのではないかと思います。
①社会から認められづらい
②解決策が得られにくい
③自分の立ち位置が分からなくなる
①社会から認められづらい
過去に内閣府の調査(2013年)にて主婦の労働を年収にし発表したことが話題となりました。
“家事や買い物、育児などの無償労働を金額に換算すると、1人当たりの家事労働による年収は約192万8000円となった。”と算出し、主婦の労働を対価にすると年収が100万を超えるとの結果がでました。
それだけの価値がある育児家事ですが、残念ながらその事柄を評価する上司、人事は家におらず、自分のしたことは評価されにくい傾向があります。また、働いているママは時短勤務や子供の事情で急な休みをとらざるを得ない状況になる場合も多々あり、子育てをしていない世代に負担をかけている自分を責めてしまう事例もあります。
この場合、 育児家事においても自分を適切な評価をする意識を、日常的に取り入れる ことが解決策の1つになります。
②解決策が得られにくい
職場や学校などで何か問題が起こった時、同僚、上司、先輩、教員、カウンセラーなど多くの人に聞く手段があります。直接的な解決方法がすぐ得られる程簡単ではありませんが、誰かが相談に乗ってくれる、誰かの経験やアドバイスがあるだけでも大きな支えになります。
しかし、育児となるとそうはいかないのが現状です。児童心理学、発達心理学という子供を深く追求した心理学でさえ、”個人差がある”という言葉が頻出します。
自分の子供に何かあった時、相談する相手は地域子育てセンター、医療、ママ友など無いわけではないものの、 その子の事を全力で考え知っているのはママ自身であり、他者の意見が時に解決方法に繋がらず、むしろ苦痛に感じる事があります 。結果として 「私はすぐ答えを出してあげられない、自分は役に立たないんだ…」と自分を責めてしまう ことになりかねなません。
③自分の立ち位置が分からなくなる
結婚し出産、そして育児をするのは、とても素晴らしい事です。生涯を共にしようと思う相手と交際し、自分とその伴侶の子供を産むことができ、その子供とも一緒に人生を歩むことができる、とてもめでたい事です。
ただ、育児、家事、仕事という分野の中で真剣に取り組んでいればいるほど、自分が本当は幸せなのか、この生活は自分ができる人間なのか分からなくなる時があります。
最悪の場合「結婚するんじゃなかった、出産するんじゃなかった。これは自己責任」と自分の事を責めてしまうことにも繋がりかねません。
しかし、1人で生きていく選択肢、結婚後出産しないという選択肢をとり、幸せに生きている人も多くいます。 結婚出産育児を選んだのには、自分なりの考えや理由があるはずです。その理由が分かると、自分はこれで良かったんだとの自己肯定感に繋がりやすくなります。
①~③の問題に対応する、お勧めの本3冊
①社会から認められづらい時『オグ マンディーノ この世で一番の奇跡 』
③自分の立ち位置が分からなくなる『綿矢りさ 私をくいとめて』
①社会から認められづらい時
『オグマンディーノ この世で一番の奇跡 』
核家族が進む今、ワンオペ育児をしている人も決して少なくありません。社会から認められない、誰も自分を評価してくれないとの悩みを持った時、最終的には自分で自身を適切に評価してあげる事が理想となります。ただそう簡単なことではありません。
そこで自分をちゃんと褒める、認めるトレーニングとなる本として『オグ マンディーノこの世で一番の奇跡』がお勧めです。トレーニングというと少し堅苦しく感じますが、1度読むだけでも心の中に残る感情があり、気軽にまずは手にとって貰えたらと思います。
主に この本はママ、妻などの枠から少し離し、自分を認め、褒める本 です。物語調になっており、じっくり読み進めて内容を味わう事ができます。1999年に出版とかなり前のため図書館でも借りられますが、できれば書店で買って家に1冊置いておいておき、空いた時間でコツコツ読み進めることをお勧め致します。
②解決策が得られにくい時
『植西聰 心の疲れをとるコツ』
何が問題が起こっているときに、じっくり本を読む心の余裕が無い、早く解決策の1つが欲しい時もあります。人に聞くのも良いのですが、相手の感情や意見に傷つくこともあり、本に解決方法を見出すのも1つの手です。
そんな時にお勧めするのが『植西聰 心の疲れをとるコツ』です。「毎日がつまらなくてやる気が起きない心の疲れ」「悲しい出来事にめげてしまった心の疲れ」「不運続きでもがいている心の疲れ」など各心の疲弊や問題に対して具体例がさらに細かくついており、その例に対して1つ1つ簡潔にアドバイスが書かれています。よって 今抱えている自分の悩みに対してその事例をパッと見てメンタルを回復させてくれます。
時間がある時は1通り読んでみる、時間の無い時は自分のその時の悩みについてのアドバイスだけ見るなど汎用性の高い本です。ぜひ1冊手にとってみてはいかがでしょうか。
③自分の立ち位置が分からなくなる
『綿矢りさ 私をくいとめて』
2020年12月18日に映画公開される『私をくいとめて』はお1人様を生きる30代の女性の生活をリアルに書いています。“男性にも家庭にも縁遠く、一人で生きていくことに、なんの抵抗もないと思っている”主人公は、日常生活において問題が起きている場合も1人で解決していきます。脳内にもう1人の自分がおり、その人(A と主人公が頭の中で名称を付けます)からアドバイスを貰っているから解決できています。文章にするとインパクトがありますが、実際に読んでみると腑に落ちる点も多く見られ、一人で生きていく事について考えさせられます。
自分が結婚出産した意味を探す1つの手段に、もし、1人で生きていく選択肢を選んだ時の日常生活を、本の中で垣間見て視野を広げる事もお勧め です。文章も分かりやすく、気軽に読み進めることができる本です。映画化もされ話題になっている本なので、ぜひ手にとって読み進めてはいかがでしょうか。
まとめ
育児や家事はどうしても誰かが見ていて褒めてくれたり、認められにくいものです。
ママの中で自分を卑下してしまった時、自分を責めてしまう時は本にメンタルケアしてもらうのも1つの手です。
紆余曲折ある育児、少しでも前を向いて過ごせる日々が多くなることを願っています。
ライター 虹まめ
社会教育学を専攻し、図書館司書教諭、学芸員、中高社会一種免許を持つライター。
育児の傍ら、モデル、占い師、ライターとして活動する一児の母。
ライターのお仕事、モデルのお仕事のご相談
asuka846771@gmail.com
占い師のお仕事のご相談
https://profile.coconala.com/users/1210716