子どもたちのオンライン絵本会

今コロナの自粛の影響からオンライン飲み会がとても流行っていますし、テレワークも急速に普及しました。
おそらく、これはコロナウイルスが落ち着いた後も完全に元に戻るというよりも、ある意味社会的にも続く傾向かと思います。

一方、学校も休校になり公園も封鎖され、イベントは当然ことごとく中止され、子どもたちにとっての楽しい場は減ってしまいました。
そのあたりはこれから徐々に元に戻っていくのでしょうが、やはりこれらも完全に元に戻るということはない部分もあると思います。

そう考えると、例えば、街の図書館や本屋さんの絵本コーナーで当たり前のように繰り広げられていた子どもたちの絵本の読み聞かせ会はどうなるのでしょう。

きっと本屋さんも図書館もいろいろと工夫したり知恵を絞って、子どもたちに絵本の世界のすばらしさや、読書の楽しさを伝えてくれることと思いますが、今回は、地域でちょっと面白い取り組みがあったので紹介します。

子どもたちのオンライン絵本会

これは・・・

読み聞かせするのは子どもたち

聞き手は子どもたちと大人

読み手の子どもは事前に自分で大好きな絵本の中から読む絵本を選ぶ

子どもたちがお互いに自己紹介や感想を

という企画です。

大人たちは、ただ見守りサポートします。
今のところ、ただこれだけの企画ですが、これがどう発展するのか楽しみでもありますし、子どもたちの絵本の世界がオンラインでどのように広がっていくのか楽しみで仕方がありません。

今回は、このオンラインイベントを横から拝見し感じたことや参加者の皆さんから教えてもらったことを紹介させてもらいます。

 

全体の進行

お気に入りの一冊を選ぶ

今回のイベントでは、まず事前に絵本を読む子どもは決めておきました。そして、事前にどの絵本を読むのか自分で考えてもらいます。

実は、ここが結構大事なのではないかと思います。子どもにとって、自分のお気に入りの絵本を1冊だけ選ぶというのは結構難しかったりもします。
もちろん、これがいちばんのお気に入りとはっきりしている子どももいるでしょうが、絵本に限らず、結構ひとつだけ選ぶというのは子どもにとって難しいものでしょうし、それが、さらにカメラの前で他のお友だちに読んで聞かせるとなるとなおさらです。

この部分の経験が子どもにとってどんな感情に繋がったり、どんな気持ちにさせるのかというところも気になるところです。
この読み聞かせをする子どもは年齢や絵本の長さにもよりますが、2〜3人で決めておくといいと思います。

自己紹介から

さあ、いよいよ当日オンライン絵本会が始まりました。

今回のイベントでは、大人もビックリ!とっても司会進行の上手な小学生の女の子が全て仕切ってくれました。
まずはみんなに自己紹介をしてもらいました。

自己紹介は簡単でもいいので全員しておいたほうがいいようです。
その方が、やはりその後のコミュニケーションややり取りは少しはスムーズに進みます。

読み聞かせ

そして、事前に決めていた子どもに読み聞かせをしてもらいます。

この時にも、司会進行もしてくれた女の子から読み聞かせをしてくれましたが、その際、パソコンの裏側に座り、そこから手でパソコンを覆うようにカメラの前で絵本を広げて読んでくれていました。

これには驚かされました!
正直大人たちは、どうすれば絵本の読み聞かせってしやすいのだろうと考えながらも、その発想はなかったし、それなら子どもも読み聞かせしやすい!って頷かされました!!

感想をみんなで順番に

順番に子どもたちが言っていきます。
この時、なかなかうまく話せなかったり、モジモジする事は当然あると思います。

そして、すでにこの頃になると、じっとしていられない子どもも出てきます。当然トイレに行ったりもすると思います。
そんな時に、参加者の方から後日聞いたのは、他のお友だちの読み聞かせを聴く時はミュートにして、自分の子どもが離れたりしたら映像もオフにするとよかったという事です。

これも結構重要なのだろうと思います。
聴くときにはミュートにしておけば、読み聞かせをする子どもも集中できるでしょうし、突然子どもが予期せぬ動きをしても、全体の進行としては混乱せずに済むのだろうと思います。

全体を通して

あらかじめ終了の時間も決めておいた方がいいようです。
当然、子どものことですから、思ったより時間がかかったり思いのほか早く済んだりすると思います。
参加者の方から伺ったところ、やはり、学校の授業などと同じぐらいで40分から長くても1時間ぐらいがいいようです。

あらかじめ終了時間も決めておいて、時間が来たらみんなで挨拶して終わってもいいでしょうし、逆に、時間が余ったら、今回の参加されたみなさんもしていましたが、お互いの好きな絵本についてお話したり、お絵描きして「これは何でしょう?」ゲームなどしてみるのもいいと思います。

これも参加者の方から聞いた話ですが、やはり小学生以上でないと読み聞かせは難しいようです。
ですが、好きな絵本についてちょっとお話するぐらいなら、まだ読み聞かせのできない子どもでもできたりもするのかなと思います。
絵本の好きな部分や好きなキャラクターについて、大人が質問してあげるのもいいでしょうね。

今回のイベントではしっかりした女の子がほぼ全て仕切ってくれましたが、大人が全体を通して、仕切るようにした方がいいとも参加者の方も言われていました。
その方が安心ですし、お話が苦手な子どもにも配慮できるかとも思います。

以下、ポイントをまとめておきます。

子どもと一緒にオンライン絵本会をする際のおすすめ

絵本の読み聞かせなど、配信元は子ども一人で順番に

兄弟がいたり子どもが複数いる場合は、これ気をつけないと間違いなくカオスです 笑

読み聞かせは基本小学生以上がいいかも

それ以下のお子さんは基本聴くだけにするぐらいから始めるのがいいようです。その場合は、お父さんお母さんが代わりに読んでもいいでしょうね。
もしくは、好きな絵本を紹介したり、絵本のこの部分が好きというようなことを紹介するだけでもいいと思います。

理想は子どもだけで楽しめたらいいけど、ファシリテーターの大人が1人いた方が安心
長時間は禁物

子どもたちの気持ちは、やはりどんどん次の対象に離れていくので、学校の授業と同じ感じの40分ぐらいで最初から時間を決めておいた方がいいです。

最初の自己紹介はみんな!

まず、自己紹介はみんなして、その後のやりとりがスムーズに進むようにしましょう。

感想は全員から一言!

やはり、感想は一言でもいいので全員から欲しいですね。

聴く時はミュートに、子どもが離れたりしたら映像もオフにする

これ意外と大切なようです。
子どものことですから、突然カメラの前から離れたり走り回ることもあるでしょうから、そんな時は遠慮なくサッと映像もオフにして離れましょう。

絵本の読み聞かせはパソコンの後ろから

参加されたお子さんが自分で考えたのか、絵本を読み聞かせする時には、パソコンの後ろに回り、絵本をカメラに映るようにしていました。
そういう方法なら手間もないと大人は教えられました。

「これは何でしょう?」などとクイズ形式のゲームは子どもたちにとてもウケます

お絵かき大会はやはりテッパンですね。
時間がもし余ったときには、大人も一緒にお絵かき楽しんでみましょう!

最後の締めはみんなが知ってる曲を歌って終わるとかもありかも

これ、時間的に許せば、やはり最後はみんなで例えば「パプリカ」とか歌って踊れたら盛り上がるでしょうね。オンラインであっても一体感が生まれるでしょうね!


以上、これから子ども参加型のZOOMされる方は参考にしていただければと思います。
また、オンライン絵本会もよければ是非みなさんも試してみてください。きっと思ったようにはいかないこともあると思いますが、新たな発見や気づきもあるかもです。

お子さんによっては、絵本を読むのも恥ずかしかったり難しかったり、お子さん同士の年齢に差がある場合は上手く進まない場合もあるかと思います。
絵本よりもお絵かき大会の方が盛り上がったり、わちゃわちゃ混乱することもあるかもしれませんが、それでもいいのかなと思います。
絵本をきっかけに子ども同士のコミュニケーションが始まったり、家庭内での親子の今までとは違ったコミュニケーションも生まれるかもしれませんね。

発起人は「岡山Candy」

今回のステキな企画を行なっているのは、「岡山Candy」です。
岡山キャンディは『空間』が売りのちょっと変わったスナックで、スナックキャンディとは、キングコング西野氏とSHOW ROOM代表前田氏が共同オーナーとして運営しているお店です。
『商品』や『サービスの質』ではなく、コミュニケーションを求めて皆が集まってくる、いわば待ち合わせ場所となるスナックです。

スナックというと大人たちの場で子どもたちには無縁のような気もしますが、キングコング西野氏は当然絵本作家でもあり、世界中の子どもたちのための取り組みはもはや誰でもご存知のことと思います。
岡山キャンディは、飲食店ですから当然お店自体も大変な状況かと思いますが、こんな時だからこそ、子どもたちの目に見えないストレスや不安をできうる限り取り除き、絵本の楽しさや読書の可能性をこれから子どもたちが自ら切り開いていくお手伝いがしたいと企画されたそうです。

確かに、これからもきっと絵本は残っていくでしょうし、子どもたちにとってなくてはならないものであるには違いないはずです。
その 絵本の価値を子どもたちに実感してもらい、そこからそれぞれ何かを学び、アフターコロナの時代を生き抜く力をひとつづつ身につけていくためには、何かしらのきっかけにはなるのかな とは思います。

協力「街の小さな手芸屋さん ドロップス」

そして、そんな岡山キャンディの呼びかけに対して、協力を申し出たのが同じく岡山で営業している「街の小さな手芸屋さん ドロップス」です。
オーナーがセレクトした手芸アイテムと、オーナー自ら制作したハンドメイド雑貨の販売していて、個人レッスンも行っていて、特に、子育て中のママたちや子どもたちにモノづくりの楽しさを伝えるための取り組みを行なっています。

そんな街の小さな手芸屋さん ドロップスさんが、 女性目線で、母親目線で、子どもたちのために協力を申し出てくれてカタチになった とのことです。

これからどう発展するのか楽しみです!

そして、絵本のオンラインでの読み聞かせとなると、よく著作権の問題があるという話も聞きます。
どうしても、こんな状況だからこそ、著作権云々関係なく自由にという作家さんや企業もいれば逆もあります。これはどちらがいいとか悪いということではなく、いずれにしてもこれから急速に変化する時代に合わせて、あらゆる業界が権利や利権、制度やルールを柔軟かつ新しい発想で創造力をもって対応していく必要があるということだと思います。

そんなわけで、本屋さんTRIPとしてもそのあたりの問題が生じないように、そんな不安を考えることなく参加者の親御さんたちが楽しめるようにこの企画に対してお手伝いさせてもらうこととしました。

今のところ、まだまだ課題もありますし、手探りの状態の企画ですが、これから先、例えば、 子ども同士の交流やお手紙の交換が始まったり、おすすめの絵本やおすすめの本の情報交換が始まったりするといいなと、ステキな世界が想像できます 

きっとこれからの子どもたちは、今まで以上にオンラインが加速した時代の中で生きていくでしょうし、大人たちが想像できない世界を協力し合いながら作り上げていくことと思います。
そんな中で、オンライン絵本会の経験が何かのきっかけになったり、その先の広がりの中で可能性を見出してくれると嬉しいなと感じました。

さてさて、これからどう進むのか楽しみなところではありますが、お子さんのおられる家庭では、みなさんたちならではのオンライン絵本会を試してももらいたいと思いますし、この企画に対して、アイデアや提案、協力などございましたら何なりとお問い合わせください。

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