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部屋に無数の個性とぬくもりを与えてくれる本
本は私たちの暮らしの中でさまざまな役割を果たしています。
もちろん、本は情報や知識、教養を与えてくれますし、興味をかき立てたり記憶を蘇らせてくれたりするわけですが、それだけではありません。
父や母から受け継いだ大切な書物で埋め尽くされた本棚、心地よく散らかり想像力を沸かせてくれる書斎、家族それぞれの興味が伝わってくる本が置かれているリビングのテーブル、キッチンの脇に作られた棚に並んでいる料理本、寝室でベッドから手を伸ばせば手が届く何度も読みたくなる本だけが並んだ本棚など、 本は私たちが暮らす部屋に無数の個性とぬくもりを与えてくれます 。
今回紹介する『素敵な蔵書と本棚』は、そんな人と蔵書とのつながりを紹介しながら、 インテリアの中で書物が果たす2つの大きな役割である「機能性と装飾性」を探求 しています。
書籍編集者であり愛書家でもあるダミアン・トンプソン氏が著名な読書家たちの言葉やエピソードも交えながら、本の収納やディスプレイのテクニックを見ているだけで心温まる写真を豊富に使って纏めてくれています。
リビングルーム、キッチン、ダイニングルーム、ベッドルームやバスルーム、階段や廊下、そして、子供部屋と分けて、いろいろな部屋をめぐりながら、とても素敵な収納アイデアを紹介してくれています。その風景を見ながらそこで実際に繰り広げられたエピソードにも触れることができます。
本を置くことでその空間に息吹を与えるテクニックをたくさんの事例から学ぶこともできます。これから家を建てたり引越す予定のある方やリフォームをしたり模様替えをしたい方、そんな予定はないけれど、本を使って温もりと彩りを部屋に添えたいすべての方におすすめしたい一冊です。
リビングルームと本
例えば、リビングであれば、リビングは家の中では比較的広い部屋で、住んでいる人の滞在時間は長く、来客を招き入れる場所でもあります。
そこにテレビや音響をメインとして置いて、本を読みたい時には別の静かな部屋に行くという選択肢もありますし、それが今では一般的かもしれませんが、必ずしもテレビを置かないといけないわけではありませんので、住まいの顔でもあるリビングを本棚と書物を中心にしてもいいわけです。そうなると、本の趣味が衆目にさらされることにもなりますが、住んでいる人の人となりや興味に触れた来客とのコミュニケーションは広がるでしょうし、 自然と読書に費やす時間も増えて、生活はより豊かなものになるのではないでしょうか 。とはいえ、そこには人それぞれ生活もあり価値観もあるので、それらに合わせたアイデアをぜひ本書を手に取り広げてください。
そこまで本格的な本棚は難しいけれど、空いている壁面におしゃれで部屋に溶け込む収納を作ってお気に入りの書物を置きたいとか、普段読んでいる本をソファーテーブルにおしゃれに収納したいという方は多いと思います。そんな方にも参考になるアイデアはたくさんあります。
書斎・仕事部屋と本
もちろん、偉人たちの書物に溢れた本棚に憧れたり自分だけの大切な書物に囲まれた書斎のイメージを広げたい方にも参考になる素敵なアイデアもたくさんあります。ただ美しいとか素敵だということでなく、そんな人に為になる実際的な問題点や注意点についても触れてくれています。
最近では自宅で仕事をされたりフリーランスの方も増えていますので、仕事スペースを機能性はもちろん必要だけど落ち着く雰囲気にしたいとか、慌ただしい生活空間から切り離したいという方のイメージも広げてくれます。
寝室と本
ベッドルームでも、本は大切な存在です。なぜか読むと眠くなる本があるという人もいるのではないでしょうか。寝室での本の収納に悩む人も多いかと思います。無造作にサイドテーブルに積み上げる、枕元にベッドに合わせた本棚を作る、色々な方法があるとは思いますが、この本のディスプレイはおそらく休息・ロマンス・回復という寝室の主な機能に対して大きな影響を与えます。寝室はベッドが大きく部屋の大半を占めることが多いと思いますが、だからこそ機能的なアイデアと数冊でもいいので本が与えてくれる温もりとを大切にしてみるのもいいのではないでしょうか。
この他にも、キッチンやバスルーム、階段や廊下、玄関や子供部屋、それぞれでの見てるだけでも心豊かになる素敵なディスプレイが盛りだくさんです。ぜひチェックしてみてください。
最後に、この本では巻末にとても参考になるリストがあります。本が好きな方が参考になる書物やWebサイト、本箱や本棚を作りたい時に参考になる業者、最高の書店と図書館、いずれも海外のものですが、それぞれチェックするだけでも色々イメージは広がるかと思います。その内「最高の書店」で、いくつか気になったものを下記に紹介しておきますので参考にして頂ければと思います。
最高の本屋さん
バーター・ブックス/イギリス
閉鎖された古いヴィクトリア様式の駅舎にある古書店。 「ニュー・ステーツマン」誌が「古書の大英図書館」と評している。
www.barterbooks.co.uk